Q.1アトピー性皮膚炎の治療について、どのような基本方針でしょうか？

A1.
基本的には自身でかゆみが軽くなるのを実感される方や、引っ掻き傷が少なくなるなど目に見える効果が得られる方には外用剤を処方しています。
ご自身の皮疹の状態がどれくらいの強さのステロイド外用剤でコントロールできるのか、ということを少しずつでも覚えていただいて、ご自身やご家族の方にもある程度の薬剤の選択が出来るように指導してゆきたいと考えています。いずれにせよ、医師だけではなく患者様との二人三脚でアトピー性皮膚炎がコントロールできればよいと思います。

Q2.ステロイド外用剤の使用についてどのような考えですか？また、副作用はどのようなものでしょうか？

A2.
状態に応じて、ステロイドは適切に使用すべきだと考えています。ただ、使用にあたっては症状や部位に応じてステロイド外用剤の強さを変更する、あるいは保湿剤単独のスキンケアへと移ってゆきます。
ステロイド外用剤を使用すると皮膚が黒くなる、ステロイド外用剤を中止するとリバウンドが起きる、などと誤解されていることも多いようです。
ただ、副作用があるのも事実であり皮膚の炎症を抑えるとともに塗った皮膚の抵抗力（免疫力）が低下しますので、細菌、カビ、ウイルスが付着したり増加してニキビやヘルペスをひどくする場合があります。
これまで違う症状が出た場合には早めにご相談下さい。中止あるいは適切な薬剤の使用によって短期間で治療できます。また、薬の吸収がよい部位に長期間にわたって強いステロイド外用剤を使用すると小さな血管が浮き出たり、皮膚が薄くなってくることがあります。適切な強さで外用し、薬を休む期間を設けたり、免疫抑制剤などを使用することによって、これらの症状を避けることが出来ます。

当院でできるアトピー性皮膚炎の治療


●デュピクセント注射剤


2018年4月よりアトピー性皮膚炎治療薬としては初の生物学的製剤であるデュピルマブ（デュピクセント®）皮下注射が使用開始となり、
2019年5月より在宅での自己注射が可能になりました。
2021年6月現在で系列クリニックの北千住院ならびに横浜院にて約80名の方にお試しいただき、その優れた効果をご実感いただけているようです。

◎デュピクセント治療をされる方は、予約制となります。受付又はお電話で予約をしてからご来院をお願いいたします。

●リンヴォック錠

リンヴォックは2021年8月に、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎を効能・効果として製造販売承認を取得しました。

^{リンヴォック®}は、免疫をつかさどる細胞の中にある「JAKジャック」という部分に結合して、かゆみの原因となる炎症性サイトカインが過剰につくり出されることを防ぎます。

皮膚の内部の炎症を抑えることで、皮膚の表面に表れる炎症やかゆみの改善が期待されます。

「かゆみ」が引き起こす負のサイクルにおけるかゆみ、アレルギー炎症の改善が期待されるお薬です。

この薬の処方には事前検査が必要となります。医師にご相談ください。

JAK阻害剤では他、オルミエント、サイバインコの処方も行っております。




■中紫外線療法

①ターゲット型ExSys（エクシス）

手足や顔など部分的に症状がある方に適しています。

保険点数：中波紫外線療法 340点 (308ナノメートル以上313ナノメートル以下に限定したもの)
適 応 ：乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫(症)、悪性リンパ腫、慢性 苔癬状粃糠疹、尋常性白斑、アトピー性皮膚炎又は円形脱毛症

紫外線療法　費用/３割負担で初診の場合　約1,880円




■口唇のシミ取り（自費診療）

口唇に点々とシミができることがあります。口唇メラノーシスといわれたりします。
アトピー性皮膚炎のバリア機能の低下している方や擦ったり慢性的な刺激や乾燥、紫外線などの刺激が原因と考えられています。


下記、アトピー性皮膚炎を基礎疾患に持つ、当院のスタッフAにモデルになってもらいました。

途中経過で「口唇ヘルペス」の再発を生じ、アトピー性皮膚炎を基礎疾患に持つ方に口唇のシミが多発しやすいレーザー照射のストレスで「口唇ヘルペス」
を誘発することがあるなどを事前の説明に追加することができました。

価格
自費診療
・口唇シミ取り放題￥22,000

・初診料　￥3300

上記税込み価格