老人性血管腫
老人性血管腫について
老人性血管腫は身体のどこにでもできるもので、顔や胸元・背中・腕などに好発します。大きさは数ミリ~豆粒大のものが一般的で形は平坦なものから盛り上がりがあるものまでさまざまです。老人性と名前は付けられていますが、20代で男女問わず、出現することも珍しくありません。
老人性血管腫が出来る原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝や老化、紫外線、ホルモンバランスの乱れなどが影響しているのではないかと考えられています。自然に治ることはありませんが、良性腫瘍のため放置しても健康上の問題はなく、痛みや痒みを伴うこともほぼありません。
老人性血管腫の治療方法
・凍結療法(保険適応)
液体窒素を利用し、患部を急速に凍結させ、皮膚を火傷と同じ状態にすることで皮膚を壊死させます。処置後は患部がかさぶたとなり、剥がれ落ちて新しい皮膚が再生されます。ただし、小さい血管腫の場合、十分な効果が得られなかったり、血管腫よりも大きい色素沈着や傷跡が残りやすいリスクがあります。
・切除術(保険適応)
サイズが大きい血管腫に対して手術で切除する場合があります。ただし、通常の老人性血管腫は4ミリ以下のことが多いため、手術で取り除くケースはごく稀です。また、他の疾患が疑われる場合は病理検査も兼ねて手術にて切除する場合があります。
・IPL照射(自費)
ステラM22の血管病変に特化したフィルターで照射することで血管腫の原因であるヘモグロビン(赤血球)に反応させ、除去します。出血がなく、行動制限などもありません。ただし、サイズが小さいものは一回で反応する場合もありますが、大きい物は数回に分けて治療が必要となります。当院では1回目の照射で反応しなかった場合、炭酸ガスレーザーへの移行をおすすめいたします。
ダウンタイム・リスク:パチンとゴムに弾かれるような痛み、かさぶた、ひりつき、稀に色素沈着
料金:4,400円/個(5㎜以下のものに限る)
・炭酸ガスレーザー(自費)
炭酸ガスレーザーを利用して、腫瘍や出来物を蒸散し、削る方法です。施術後の出血も少なく、当日から洗顔や入浴が可能です。ただし、治療後は軽い火傷のような状態となるためハイドロコロイドテープで保護する必要があります。痛みを伴う可能性があるため、局所麻酔を行ってからレーザー照射します。