乾燥肌の改善
乾燥肌の原因は、季節や生活する環境によるものもありますが、生活習慣や加齢が関わっている場合もあります。
クレンジングや洗顔の方法が間違っていたり、保湿ケアが不十分でも乾燥肌になります。肌の乾燥がひどくなると、かゆみだけでなく炎症や湿疹を発症することもあります。
また、肌を乾燥した状態で放置しておくと、急速に老化が進んでしまいます。しわやしみの原因にもなることもあります。
日常的に肌を乾燥させないためのケアをすることが大切です。
正しい入浴剤の選び方、入浴の仕方を知ろう
入浴剤の種類と成分
~入浴剤の効果って、どんなもの? その種類と特徴を知ろう。
入浴剤は化粧品に属するものと医薬部外品に分かれます。さらに製品に含有される成分は多種あるものの、その製品に表示される効能効果は医薬部外品と言えども、「あせも、荒れ性、冷え症、腰痛……」などに限られています。すなわち、いずれの入浴剤も同様の効能効果をうたっているため、消費者の立場に立てばどれを選べばいいのかわからないのが実情であろうと思われます。成分的には、温泉と薬用植物湯に由来する成分を応用したものが大半を占め、それらに酵素、油性成分、界面活性剤、香料、着色料などが添加されています。
①無機塩系
硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、塩化ナトリウムなどが主成分で、粉末顆粒状が多いといえます。これらの成分は皮膚表面のタンパク質と結合し、体全体に膜を作り、熱の放散を防ぐために温熱効果が持続します(湯冷めしにくい)。硫酸ナトリウムは血液循環をよくする、重曹は皮膚の脂肪汚れを乳化するなどの清浄効果も知られています。「○○温泉の湯」などの名称で販売されている製品は概ねこのタイプに属し、各地の温泉成分を応用したものとなっています。
②炭酸ガス系
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩とコハク酸、フマル酸などの有機酸を組み合わせた錠剤タイプ。花王の「バブ」が代表的な製品で、中和反応により発生した炭酸ガスを浴水に溶け込ますように工夫されております。炭酸ガスは経皮吸収されると皮内・皮下で血管を拡張させて、血圧の低下と血流量を増加させます。その結果、全身の新陳代謝が促進され、筋肉に蓄積された乳酸の排泄も促進されるので保温効果や疲労回復効果が期待されます。吸収された炭酸ガスは最終的には肺から呼吸とともに排出されます。
③薬用植物系
センキュウ、トウキ、ボウフウ、チンピ、カミツレ、ハッカなどの生薬を配合しています。薬湯としても古くから利用されており、主には生薬に含まれるさまざまな精油が肌をコーティングし、温熱効果を高め、皮膚の炎症を抑えたり、血流増加を促すとされています。また、生薬独特の香りによるリラックス効果も期待されます。
④酵素系
パパイン、パンクレアチンなどのタンパク質分解酵素を無機塩類系成分と組み合わせることで、入浴効果を高めつつ、皮膚表面や毛穴の汚れを酵素の力で皮膚に無理なく、物理的刺激を与えないで清浄することが期待されます。
⑤清涼系
メントールによる冷感や炭酸水素ナトリウム、硫化アルミニウムカリウム(ミョウバン)による清涼感、かつ青色を基調とした色彩を浴水につけることによって視覚的にも爽快感が得られることが期待されます。
⑥スキンケア系
セラミド、コレステロールエステル、米胚芽油、エステル油、スクワラン、ホホバ油、ミネラルオイル、米発酵エキスなどの保湿成分を配合し、剤型的には液体がほとんどです。入浴により角質層が膨潤するために、こうした成分が効率的に皮膚へ浸透し、入浴後の乾燥を抑制することが期待できます。皮膚科で推奨されるのはこのタイプが多く、2e(資生堂)、エモリカ(花王)、バスキーナ(持田製薬)などがあります。
入浴前後での皮膚変化
~入浴によって皮膚は乾燥する?
入浴時や入浴直後は皮膚に十分に水分が浸透しているため、肌は一見潤っているように感じられますが、様々な保湿因子も流れ出てしまっているために時間経過で、以前にも増して乾燥(角質層の水分量低下)が起きてしまうからです。保湿剤を含めた局所薬は無傷の皮膚よりも角質層のバリアが破壊されていたほうがよく浸透し、湿った角質層では乾燥した角質層よりも10~100倍有効に浸透するとも言われています。入浴で角質層が水和すると、角質細胞間の距離が拡大されるため、結果として細胞間の結合と粘着力を低下させて落屑を促進させてしまいます。一方角質層が適度な水分を含むことは各種の酵素の働きにも必要であり、角質デスモゾーム(接着分子)の正常な分解と落屑につながります。シャワーや短時間の入浴ではこうした効果は薄れるので、20分くらいじっくりとお湯に浸かり、その後すぐ保湿剤を使用することがお勧めです。