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ホクロについて

[2025.10.27]

ホクロについて

ホクロとシミはもちろん別物です。もちろんシミと呼ばれるものの中には真皮内(皮膚の深い層)にメラノサイト(色素を作る細胞)とともに細胞内にメラニン色素が多数ある状態や、通常は表皮内のメラニン色素が主体なのだが、表層のメラニン色素が真皮内に滴落した状態を併発している症例もあります。しかしながら一般的にシミと呼ばれているものの多くは表皮(皮膚の表面)にメラニン色素が増加して、周囲の皮膚に比べて色濃く見えている状態です。


*肌色が真皮。ピンク色が表皮を表しています。

 一方、ホクロがホクロたる所以は大なり小なりホクロの細胞と呼ばれる母斑細胞が表皮と真皮の境界部や真皮内に存在していることです。平坦なホクロもあれば盛り上がったホクロもありますが、例え平坦であったとしても真皮内奥深くまでこの母斑細胞が存在しているホクロもあります。

 そのためホクロ治療はQスイッチレーザーでのシミ治療と異なり表面の表皮を軽くやけどさせて除去するだけでは不十分なことが大半です。また、一般的には真皮内のメラニン色素をQスイッチレーザーで破壊するには、色素の量が多すぎることが多いため現実的でない場合が大半です。治療においては、真皮内の母斑細胞ならびにメラニン色素の容量をどれだけ減少させることができるか、にかかっています。

参照

皮膚科医 清水 宏 オフィシャルサイト
あたらしい皮膚科学  第3版:20章 母斑と神経皮膚症候群
a.母斑細胞母斑(別名:色素性母斑)https://shimizuderm.com/textbook03/text_20.html

 

ホクロ治療・除去の前に確認

先ずは、診察にて治療をご希望されるホクロを本当にホクロなのか、他の皮膚疾患(脂漏性角化症、悪性黒色腫、基底細胞癌など)が考えられるのかについて確認をさせていただきます。もし他の疾患が疑わしい場合は保険診療にて皮膚生検を行い、病理診断にて確定診断をつけてからの治療になる場合があります。

皆さんが一番心配されるのは、ホクロの癌とも言われる悪性黒色腫(メラノーマ)でしょう。従来より一般の方にもわかりやすいように、見分ける際に気をつけるべきポイントがABCD(E)でまとめられています。

A:Asymmetry(左右非対称):形が左右非対称でいびつな形状

B:Border(辺縁、境界):周囲の皮膚とホクロの境界がギザギザして不整/色のにじみ出しがある

C:Color(全体の色調):色が均一でなく、ムラがある(濃かったり、薄かったり)

D:Diameter(直径、大きさ):長径が6mm以上

E:Evolving(進展、変化):大きさが拡大する、色・形(隆起や潰瘍化を含む)などが変化する

 の場合に悪性黒色腫の可能性が高まると言われています。

さらに詳しくは、下記の国立がん研究センターのHPを参照下さい。

https://ganjoho.jp/public/cancer/melanoma/index.html

診察や皮膚生検にて悪性黒色腫の可能性が高い(あるいは疑わしい)と診察医が判断した際には、がん拠点病院や大学病院などの高次医療機関へご紹介させていただきます。

ホクロの治療・除去について

当院では、ホクロ治療・除去の適否について下記のように考えています。施設によっては炭酸ガスレーザーではなく、高周波電気メスであったり、Qスイッチアレキサンドライトレーザーではなく、Qスイッチルビーレーザー、QスイッチYAGレーザーであったり、中にはQスイッチではなくノーマルモード(ロングパルス)のルビーやアレキサンドライトレーザーを併用するところもあろうかと思います。多少の違いはあれども、基本的な考え方は同様だと思われます。

 ホクロ治療・除去の方法として、大きく分類すると1)メスによる外科的切除、2)炭酸ガスレーザーでの蒸散治療などでしょう。当院で行っているホクロ治療もこれら2種類の治療を使用しています。

1)メスによる外科的切除

 先ず、ホクロ治療の目的を確認しましょう。傷痕がある程度残ろうとも、確実に根こそぎホクロを除去したいというのであれば、やはりメスを使用した外科的切除が優先されます。外科的切除治療にも種々の方法がありますが、代表的な治療法として紡錘形にデザインしてホクロを切除して、縫合して線状の傷と交換するという方法があります。この場合には線状に縫合しやすくするため紡錘形にデザインするので、ある程度のホクロ周囲の正常皮膚を含めて切除することになります。結果として元のホクロの2~3倍の線状の傷と交換することになります。

 くりぬき法といって、ホクロより一回り大きくくりぬくように切除して縫合せずに自然に傷が縮小してゆき塞がるのを待つ方法もありますが、大きいと陥凹瘢痕(へこんだ傷痕)が目立ってしまいます。それを軽減させるために切除辺縁を巾着状に縫合する場合もありますが、原則的には小さいホクロや腫瘤に対して行う方法だと思います。

2)炭酸ガスレーザーでの蒸散治療

 一方で、炭酸ガスレーザーによるホクロ治療というのはホクロの成分(母斑細胞)が下床に多少残っても良いので、周囲の正常皮膚をできるだけ傷つけないで、母斑細胞の群れを蒸散(削り取る)させてそれらのボリュームを減らして、見栄えの改善をお手軽に得ようというものです。もちろん、浅いホクロであれば1回の施術でほとんどわからないレベルになるものもあります。

 盛り上がった黒いホクロがあったとします。1回の炭酸ガスレーザー治療で平坦化はしたけれどもある程度の黒い色調が残った状態になったとしたら、少なくとも平坦化して元の盛り上がった黒いホクロに比べると目立ち度合いは減少して見栄えの改善には繋がっていると思われます。また黒い平坦なホクロが治療によって、範囲が縮小したり色調がより薄くなったりしても見栄えの改善としての一定の効果は得られた、というような状態を想像して頂ければと思います。

 こうした変化を皮膚への侵襲を少なくしてお手軽に得ようというのがレーザー治療だと考えて頂き、それにてメリットを感じられるようであれば適応となると考えて頂ければよいかと思います。

 そのため、こうしたレーザー治療にはホクロのタイプによって、より適したホクロとそうでないホクロがあります。

レーザー治療で変化がでやすい(メリットがでやすい)ホクロ

・隆起した色調の薄いホクロ

・隆起した色調の濃いホクロ(黒さが多少残っても、平坦化する)

・平坦で色調の薄いホクロ(薄いものほど、炭酸ガスレーザーよりQスイッチレーザー治療が適しています)

変化が得られ難い(レーザー治療が適していない)ホクロ

・平坦で非常に色が濃いホクロ

 *色調が青く見えれば見えるほど真皮の深い位置にまで色素があることが予想されます。

  典型例としては、平坦なものもあれば隆起したものもありますが青色母斑と呼ばれる真皮にメラニン産生能が高いメラノサイトが密集したホクロが挙げられます。治療としては切除治療を選択します。

  参照

皮膚科医 清水 宏 オフィシャルサイト
あたらしい皮膚科学  第3版:20章 母斑と神経皮膚症候群
b.真皮メラノシアイト系母斑:青色母斑 https://shimizuderm.com/textbook03/pdf/20-10.pdf

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